くすかき -太宰府天満宮-

くすかきとはくすかきとは

かつて存在した千年樟の姿を“描き” 出す

太宰府天満宮の樟の杜は、毎年春になると、新芽が古葉を押し出して一斉に葉を落とします。 樟は春に葉を落とすということすらまだよく知らなかった2006年、九州国立博物館を中心に開催された「アジア代表日本」のスタッフとして太宰府に滞在し、太宰府天満宮の境内の掃き掃除をお手伝いしていた朝のことです。松葉ほうきで落ち葉を掻くと、地面には均一に整った縞模様が浮かび上がり、次の瞬間、その縞模様の上に1枚の落ち葉が落ちてきました。ふと見上げると、そこには大きな樟の木があり、次なる幾枚かの葉をひらひらと落としている光景に出会いました。掃いてもすぐに落ちてくる葉っぱを見て、「落ち葉掃除をしているのではなく、落ち葉が落ちてくる場所をつくっているのだ」ということに気がつきました。

樟と共に千年の時を歩んできた太宰府天満宮は、こうして千年ものあいだ、樟の葉が落ちてくる場所をつくり続けてきたのです。毎朝生まれては消えていくこの光景を蓄積させていくことで、いったい何が見えてくるのだろう。そんなことを考えていた時、今日の樟の杜を形づくる巨大な木々と同様に長く大事にされてきた、かつて存在した千年樟※のことを知ります。

「くすかき ―太宰府天満宮―」は、一本の樟の木の存在をきっかけとして、この地で千年続く樟の落ち葉を“掻く”という行為を通して、かつて存在した千年樟の姿を“描き”出そうという試みです。千年ものあいだ、落ち葉を掻き、落ちてくるための場所をつくり続けた土地で、“目には見えないもの” “見えないけれど大切なもの”を感じる心を過去から未来へ渡していくとき、千年樟は人々の心にあり続けます。

2010年に「くすかき」としてスタートした本プロジェクトが今年10年目を迎えるにあたって、毎年この時期に樟の木と向き合うことがこの土地に出会い関わっていく一つのきっかけとなるように、また、土地や土地の人たちとの繋がりを時間をかけて紡ぐことで、樟の営みのようにゆるやかに成長し、徐々に変化をとげていくものでありたいと考えています。

※ 天神広場にあった千年樟(16号木)は参拝者の増加による地固めや酸性雨の影響で平成6(1994)年に枯死した。

関連行事関連行事

会期中開催されるイベント

  • 日々のくすかき
  • くすのこうたき
  • 松葉ほうきづくり
  • くすのかきあげ
  • 千年の眼差し

くすかきかわら版くすかきかわら版

くすかきかわら版

「くすかき」2019年のかわら版が出来ました。〈A2サイズ〉
太宰府天満宮社務所受付などで配布しています(なくなり次第配布終了します)。
期間中、ご自宅や店舗などにぜひ掲示して下さい。
ダウンロードはこちらまたは画像をクリック[PDF/3.7 MB]

[特別協力]
太宰府天満宮
[協力・協賛]
中川政七商店/福田屋染物店/油機エンジニアリング株式会社/ありがとう農園
/感動創造研究所/NPO法人太宰府アートのたね/寿し栄/キリンビール株式会社
福岡支社/丸尾焼/市山くじらや/天文館果実堂/株式会社ムーンスター

プロジェクトマネジメント/米津いつか
デザイン/河村美季
映像/仲信達也
写真/前田景
デジタルアーカイブ/須之内元洋
Special Thanks /太宰府のみなさん、百花堂、猪股春香